残響
ノラととは完全にイチャラブ&ヒロインの好みでいえば、シャチ一択ですね。シナリオ的にはパトですが。

嫌いかどうか……ツッコミ要員として大変貴重だなぁ、という率直な感想。なんだか、黒木はまっすぐで頑張ってるから、自虐の薄っぺらさ・薄ら寒さが希薄でして。どこぞのラインフェルトと違って。

嫌いじゃないですが、アイリスほど感情移入はしなかったです。あそこまでいくと自分でも異常体験でした


nisetono
だいたい残響さんが語りたがらないヒロインルートの方が、僕が突っ込んでみると色々と面白いものを掘り出せる感覚はあるんですけどねー。

アイリスの時も、最初は全く知らぬ存ぜぬで、ちょっと突っ込んだら「いきなりアイコン化」したわけでー。そういう一発逆転を狙ってはいるんですが。


残響
語りたがらない、で言ったら明日原と黒木、ですが、両方とも良いところはありますから。……というか、黒木と明日原そのものじゃなくて、黒木ママとDQNども、ですが

いつも観測側でいたから、あの憑依って自分のなかではかなり異質な経験でして。まず憑依行動自体が怖かったのと、アイリス存在自体が怖かった。(薄っぺらい、という意味で)……ところがまあ、実際にやってみたら、いや~、「物語」って、すごいですね


nisetono
まぁそもそも最近は凌辱ゲーに今さら手を出そうとしていたり、たぶん今年のエロゲ新作でいえばイチャラブ系作品を一本もやっていない残響さんにイチャラブスキー云々言える資格があるのか?っていう話はさておくとしても。

まず、この黒木さんシナリオが評判が悪いのは、そういう「イチャラブスキーには評判の悪い」典型的な糞シリアスっていうところはありますよね。

(1)親に交際を認められていない
(2)ヒロインが引っ越しフラグありありで。
(3)最終的には別の男が黒木さんに手を出そうとする


っていうは、まぁここ数年のエロゲ業界では「普通に一番嫌われる」ような糞シリアスと言われる存在ですよね。


こーしんりょー
首肯


nisetono
ここらへんの認識、vostokさんはわかります?ふだんあまりエロゲクラスタの如何でもいい話には関心無さそうなvostokさんがここらへんについてどうおもっているのか、ちょい興味あります。


vostok/daktil
確かにストーリーはその通り、分かりやすいストレスがある話ですね。
ただ、やっぱり言葉の動きみたいなほうに気を取られていたこともあって、しらけたりはしませんでした。普通に未知と一緒にはらはらしていたかな笑

糞シリアス作品というのにまだそれほど被害を受けていないから、トラウマ化していないのかな。くらっても意識していないだけかもしれませんが。


nisetono
それならトラベリングスターズという最高の糞シリアス作品がぁ!(邪教復活!


3


vostok/daktil
それは偽トノさんが何度もキャプチャをツイッターで流すから解毒されいます。といってもやりませんが笑

nisetono
誰もがトラスタの前では凶暴になれるから大丈夫ですよ!ロシア人に向かってパルプンテな効果を期待したいときは、ルーフスさんのキャプを見せて「俺の初恋の人なんだ」と言えばHOOKが北方領土を完成させる!

でも、残響さんが基本的に黒木さんルートが駄目なのって、そこらへんの「ストレス的展開」が駄目っていう話じゃないんですか?トラスタの瀕死バブみルートでもあんなにダメージを受けていたのに。


残響
もちろん、そのあたりのストレス的展開、にダメージを受けていますしかしそれも元を掘ってみれば、全部原因は黒木ママですからね。あの陰湿な母性が黒木という存在を浸食していっている気持ち悪さです

しかも、トラスタジル姉ルート瀕死バブみは、「シナリオがおかしいよ!状況がおかしいよ!」で、ジル姉自体のキャラには罪はないですが、黒木の人格って、ママに対する反骨心と、ママの真面目心の刷り込みでごちゃごちゃになってるので。

そのあたりの「とりまく母性浸食物語」という総体で、黒木ルートが嫌い、っていう話です。ただ、今人格と言いましたが、それはシナリオ上における人格であって、黒木自体のキャラに敵意を抱いてはいません(シナリオがあってのキャラだと言われたらここ難しいところですが)。黒木はかわいそうだとさえ思えます。あんなママがいなかったら……あんなママは滅殺さしなければならない!


nisetono
こーしんさんはどう思います?


こーしんりょー
私もイチャラブゲーをあまりプレイしないので「糞シリアス」経験値が多くなく、この手の展開そのものに対してのヘイトはあまりないです。一方で、「分かってくれない親」を配置することで、主人公たちの結束を青春劇的に強調するってのは定番なので黒木ママの機能については偽トノさんが指摘するように理解できるんですよね。

理解した上で、「分かってくれない親」の描写が不味ってるのかなあと思います。端的に言えば、いくらなんでも無礼すぎなんですよね。その無礼さに説得力を持たせるような描写も足りない。だから基本的に私も黒木ルートはマズい側のルートだと感じています。

ただ。このルートにおいて黒木の告白シーンが3箇所あるんですけど、これが3つとも超・超好きなんですよねー。とりあえず黒木ママを視界から消せるならば、かなり評価したいルートになります。


vostok/daktil
自分の上の書き込みを補足すると、未知はヒロインでは唯一、自分もネコになってしまいます。

ママはメタファーといってしまいたくなりますが(特に声という質感があるのが嫌ですが、メタファーとみれば毒が和らぐし)、自身を取り巻く環境の理不尽さも強く感じられる。主人公に近くて、ヒロインの欲望が強く出ていて、それに感染しやすかったように思いました。

告白シーンは確かに素晴らしいですね。
1週目ではシャチルートがとてもよかったと思いましたが、2週目ではシャチにはそういう大声で訴えるシーンがないのが物足りなく感じてしまいました。


nisetono
まぁ僕個人の黒木さんに関する評価は正直これだっていう話は前提しておくとして。


omoi


まぁルート全体の感想はさておくとしても。
個人的には、こういう黒木さんの台詞は凄く良いなぁとは思うんですよね。

 
piero


sonnnano

sitara


後はこう言うこういう自問自答もいいですね。

 
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hirotte

majime


こういうヒロインの「正論以前」の「生論」とでも言いましょうか。自分自身の矛盾したありようをそのまま矛盾したまま言葉に出していくっていうありようは、僕は普通にいいなぁと思うんですよね

きちんとそのヒロインの生々しい声がが聴けているっていう感じはあって、これがまず僕がエロゲに第一に求めているモノなんですよ。そういう意味では、黒木さんルートが一番面白かったですね


こういうのって、何処か「めんどくさいヒロイン」みたいに、その「面倒くささ」を所謂「メンヘラ」的なベタ言説でやりがちなんですが、これをこの黒木さんは上のようにしゃべり続けるわけですね。こういうところは本当に良いなぁと思います。ここまでやってくれないと、僕は普通に残響さんに突っ込むみたいな反応をしてしまうので。


残響
生論……か。
ちょいとズレますが、黒木は勉強が好きですが、「知のヤドカリ武装」みたいなのはしてませんからね。ヤドカリっていうのは、つまるところ「借り物の知識・借り物の思想」ってやつですが。もちろん、ヤドカリ発言者がこの残響ってわけです。

ノラととは、あまり「先行する大人、他人、物語」を、キャラみんなが別にロールモデルにしてなくて、「自分は自分」っていうキャラたちですね。そのあたり気持ちがいいです。(あえてここではノラの母については言及してません)


vostok/daktil
上のキャプションもそうですが。しゃべりながら出口を探している感じがして面白いですね。出口のヒントは自分が直前にしゃべった言葉の中にあったり、掛け合いの相手にあったりして、そこに必死に飛びついていくというか。
未知は子供だといわれますが、一生懸命考えているのを読んでいるとなかなか外側からは眺めにくくなってしまう。


nisetono
あとはやっぱりエロゲは強いなと思うのは、そういう文章で言ったら陳腐な思考を、そのある程度は陳腐な台詞をちょい工夫することで、声優さんの「声」によって「一生懸命やっているんだな」感が出るところですね。

gannbatte


これ文章だけみると、さして面白くないですよ。でも、この異様にリフレインされる「がんばって」というのを、声優さんはどう表現するだろうか?みたいなちょいネタ気味な興味があってそこを聞くと、確か苦笑含みの反応だとは

いっても「頑張ったんだな」ってわかりますよね。もちろん、結果は常に無常ではありますが。


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vostok/daktil
ラブレターの「ちょーすき」もちょっと脱力する文面ですが、声にして反復してうまく活かしていますね。パトは詠唱にこだわるので顕示的ですが。


nisetono
あとはこういう、躁鬱の激しさも上手く「文章+ボイス」で表現されてますよね。この一番目と二番目のボイスでは、180度演技が変わるんですがw


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こーしんりょー
ビジュアルファンブックでも次のように言及されています。「そういう意味では目で読んでもらう文章よりも、どう耳で聞いてもらう文章にするかという点に執着することが多く、そこをいかにゲームで形にしていくか、みたいなことを考えていました。」


nisetono
目で読む文章とそれを声優さんがボイスで読み上げる時に生まれるエクリチュールとパロールの結合効果みたいなものですね。上手いエロゲライターさんは、だいたいそこが上手いのですが、このライターさんもそこらへんは流石だなぁと思います。

それが実際に「綺麗に結合させる」巧さではなくて、その両者のギャップも計算に入れている巧さですね。その「おかしな感じ」がどう作用するかを上手く利用している感じはある。
ここらへんのエロゲ独自の「文(エクリチュール)と声(パロール)の融合ってやつ」は、まぁここらへんはパトルートで詳しくやるとしても、ある種の「詩」に近い構文がそれを強調するようなところはある。

例えば、これはエロゲ独自の「クリック感」と言われているモノですが、これをキャプで無理やり表現しようとするとこうなりますかねー。

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別に以上は、それ自体が「詩的な文章や語彙」を使っているというほどのものでもないですが、以上を過去ログ的に表現した場合には、これはこれで「単に行分け」しただけの、詩っぽい構文になる。

僕はこの「ワンセテンスの文章を、わざわざクリックで分ける」ようなエロゲのメディアスタイルと、ボイスの融合(もちろん、クリックボイスキャンセル無しも含めて)が、キモだとは思うんですよ。かなり抽象的な言い分になりますが、皆さんはどう思いますか?


vostok/daktil
はとテキストの際立った特徴ではないかもしれませんが、要所要所で倒置がありますね。
倒置というのは、文章の線的な流れを切断してひねるものであって、仕組みとしてはウィンドウでテキストを区切るというエロゲーのシステムと親和性があると思います。親和性というか、効果を増幅で来るというか。クリックの快楽というのは、分節したものをまた接続していく快楽なのかもしれません。
詩も、要は線的なテキストである散文を行で区切って、意味が他の力(主に音)の作用も受けるようにしたものなので、近いというのは頷けます。


nisetono
エロゲでも、普通にワンクリック内のワンセンテンステキストで、意味を収めようとするテキストと、このノラトトみたい「切断したり捻ったりする」タイプがありますよね。

凄い単純なモデルで言うと、ワンセンテンス内で意味を収めるタイプの大半のエロゲは、その意味情報が(1)→(2)→(3)→(4)→(5)みたいに、散文のように意味情報がリニアに流れていく。。

でも、上のような文章の場合、意味論的には「油断した。なんて綺麗な顔なんだ」という文章で、ワンセンテンスで意味を要約しようと思えば出来るし、別にそれでも通じるハズなのに、そこを(1)→(1A)→(1B)→(2)みたいにやるところがありますね。


ワンクリックのセンテンスとしては短く完結しながらも、次のセンテンスにおいて先のそれを少し捻ったり加えたり変容したりして、クリックセンテンスそれ自体を「意味情報の集合」として散文的に効率的に進めていくのではなく、ワンクリックセンテンスによって得られた「瞬間の感情や情報」」が少しずつ蓄積されたり、変容されていくその情報処理過程そのものに重みを置く。

残響
そこを「意味」で追及(意味性の効率性の追及)するのも大変面白く、メタファー派の自分としてはそれをもっと推し進めたいのですが、ここで詩ときたら、やっぱり「リズム」の話でもって、倒置、転倒、切断、捻りというものを見るのも必要かな、と。

まあこれは補論的な話になりますが、先ほどのノラさんの独白ですが、意味的に言ったら省略できます。しかしリズムを形成しようとしたら、この長さは必要だと思える。というのも、偽トノさんの(数字)を借りますが、先のキャプを上から見てみると、

(1)タン (2)タラララ (3)タン (4)タッタララララ (5)タララッタン(キメ、終

みたいなリズム感に自分は「聞こえた」。こう聞こえることによって、少なくとも意味上では重複していても、リズムの流れにおいては少しも「渋滞」はしていない。

長短二つを組み合わせることによって、より線的な流れを分断させ、印象を深める。この一連の流れが「詩」のように聞こえる、というのは、はと氏の「詩的言語リズム」にも、よるものかと。もちろん、優れたシナリオライターは「文体」というもので、この詩的言語リズム感の独自性を持ってることが「「優れてる」の前提ですが。


vostok/daktil
前に偽トノさんが引いたカウントするキャプションがありましたが、はとさんはこれまでの作品でも唐突に意味のない数字をカウントし始めたりしていたように記憶しています。

なんかカウントダウンみたいな、メトロノームみたいなSEが入って。不思議な演出手法だなと思っていましたが、何かリズム的なシグナルなのかな。すいません。キャプチャは手元にないのですが。こーしんさんは覚えていますか?


こーしんりょー
メトロノームっぽいSE(ピ・ピ・ピ・ポーンの繰り返し)は『わーすと☆コンタクト』、『らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!』の両方でも使われていた覚えがあります。『らぶおぶ~』ではゲーム開始直後にこのSEに合わせて意味の分からない数字(すぐにそれが生徒会信任票数と分かる)がカウントアップしていくという演出が有りましたね。


nisetono
うーん、リズムというのもあるんですけど、基本的にはワンクリックの度に情報が「変な風に蓄積されていく」ことそれ自体の経験を描きたいのかなぁとは思います。思考の流れ的なもので。

まぁ強いて、詩でいえば、こういうものですよ。

幻想高低 藤富保男

水もしたたる悪い男
一日物言わず
欠伸まるく吐いて
夢見る順
を間違えた順
にさわらない順
失礼をしました順
に逆立ちする順
それから
そのまま
ほとんど檻からかを出そう
としている虎のように
忙しくあごを光らせ折りから
また一口まるくあけて
泡から口を吹き
湯気から頭をまるくだしていると

はたと立ち寄り
欠伸の輪くわえて
屋根に舞い上がる
それは無いよ の
ある夜
また悶絶し
くねって驚く真似しても
何も泣く
脚ひろげ耳のばし
ねころんでいるのを
水もこばれる悪い女来て
舌と裏と表に出して
じっと眺めていることこそ
こっそりおかしいか


以上、おわり。

こういうナンセンス詩に近いものって、まぁ大半の人は「意味わかんねぇよ」とか、リズムとかメタファーの意味を過剰に読み取ったりしようとするものですが、

こういうものはエロゲのワンクリックセンテンスの快感の方が、本質的には近いと思っていて。これって「一つの行のインパクト(下らない洒落の「水もしたたる悪い男」とか)と、
その行が進むたびに、どういうレベルで繋がり(リズムやメタファー、あるいは単なる駄洒落)、どういうレベルで繋がらないのか?っていうのを、楽しんでいくモノだと思うんですよ。このノラトトでいえば。

nisetono

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こういうシーンが典型的ですが、二番目の台詞と三番目の台詞に「凄い断絶」がありますよね
もちろん、これは物語的に言えば、そのまんま「気まずい沈黙」を表現しているモノではあるんですが、
そういう「言葉」と「言葉」、メタ的に言うと「クリック」と「クリック」の間に発生するような、ある種の「時間感覚的な連想や経験」を表現しようとしているのかなーとは思ってます。


vostok/daktil
チャット形式で一行ずつ表示されていくのを見ると、詩もエロゲーみたいですね。
いつどういう風に終わるのか分からないというので、読者が味わう不安定感は似ているかもしれません。
いま引いていただいた例もそうですが、「断絶」があると読んでいて面白いですね。
断絶は「跳躍」といいかえることもできて、その運動性というかスピード感が楽しい。
例えば、
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そういうのを軽い掛け合いだけでなく、クライマックスの絶叫告白シーンなどでも楽しめるのがはと作品の面白さだと思います。


nisetono
これ、キャプチャだけだと面白さが伝わらないんですよね。最近のエロゲの文学性が何たるかを解っていないエロゲオタたちは、こういうのを「水増し」とか言いやがりまして、誠に残念なんだなぁと思いますよ。
単純にプロットの進行に必要な最低限のテキストがあればいいとか、テキストが「美文かどうか」だけを判断しているだけで。まったく、嘆かわしいやら石破茂やら!


vostok/daktil
これはさっき偽トノさんが指摘した、ボイスと融合したときの面白さなのかもしれませんね。表示文字数が少ないので、クリックも早くなって、「きゃっ」のテンポが読者が読むスピード感を上回っているというか。

nisetono
黒木さんのこういう長くて、ワンクリックの度にワンセンテンスが微妙にねじ曲がっていくテキストも、ユーザーが途中までしかボイスを聴いていなくても、その変な感じは良く伝わりますからね。

 
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僕としては、こういう黒木さんの連想的な台詞パターンと、このシナリオのプロットは結構深くつながっているんじゃないかと思いますが、しかし、どうやら、前にも言った通り、こーしんさんと残響さんは、このシナリオが気にくわない御様子で。


こーしんりょー
そのプロット上でどかっとあぐらをかいた未知ママが視界を遮っててつながりがよく分からない。


vostok/daktil
どんなふうにつながるのでしょうか。


残響
こーしんりょーさんに同意な自分の立場。偽トノさん「つながり」について解説お願いします



ノラトト対談-ノラと黒木とままははロード3「私はこの先、自分でもどうしてかわからない涙を、流すことがあります」に続く