nisetono
うん、まぁここで僕がいきなり独演会を始めるのもアレなんで、手短に述べると
こーしんさんの言葉を借りれば、未知ママが視界を遮っているのは正しい理解で、黒木未知ちゃんが言葉をつないで道を繋ごうとも、道が繋がらない、または黒き道にしかならないのが、このルートだと思うんですよ。
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「言ったらどんなことが起こるのかわからない」つまり「どこに繋がっているかはわからないにせよ」道=未知が出来上がるのが、ノラとの会話だとしたら、

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でも、黒木ママとの会話はいつでも行き止まり、基本的に会話が成立していないじゃないですか。ノラと未知の会話に比べて、未知とママの会話くらい「息苦しい」モノは無いですよね。

nisetono

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まぁライターさんは、黒木ママに対して結構手加減しているとは思うんですよ。こういう「人間としては終わっている」描写をギャグの形で入れてくれるなんて、人情味あるなぁと思います。

こういう人間としては終わっている黒木ママのギャグソングがまさにこのルート「登場人物全ての行き止まり」を匂わせているって言うのも、なかなかにスパイシーでありますが。


vostok/daktil
はずかしながらというか、未知と道のかけことばは特に意識していませんでした。
ノラが猫になって、コミュニケーションできなかったときに、未知がこっくりさんの表で対話するアイデアを思いついて実行しますが、そういう対話に対する飢えみたいなものを考えるとなるほどなと思いました。


残響
黒木と黒木ママ、対話が成り立ってませんからね。何かを思い出すと思ったら、ユングの母性原理/父性原理でした。ユングは母性を「含むもの」、父性を「切断するもの」と捉えてますが、黒木ママは「含もう」とするばっかりで対話っていうものが成り立ってない。そこが非常に非常にこのわたくし残響は気持ちが悪い。

ぼくからすれば、この黒木ママの「おかしさ」、ってものが、ユングの母性原理の三要素である
(1)慈しみ育てる(2)狂宴的な情動性 (3)暗黒の深さ
というものの、(2)の拡大解釈のようにしか見えなくて。


nisetono
いやぁ、個人的にはこのシナリオ、黒木ママを批判する人は多いですが、僕は「黒木ママ容認派」(嫌な派閥だw)vostokさんとは違った意味で、このシナリオのキモは「黒木ママ」ではないと思うんですよね。
こーしんさんは、確か基本的に「黒木ママの存在自体がリアリティが無い派」でしたっけ?


こーしんりょー
ですです。
分かってくれない親と、それを乗り越える子という物語として見た時、「分かってくれない親」感があまりに定型的なハリボテにしか見えなかったんですよね。先に偽トノさんが仰ったとおり、寧ろそこをデフォルメさせてギャグにしてると言えなくもないですが。


nisetono
vostokさんとしては、どう思いますか? この黒木ママの存在意義とか、あるいは別にこーしんさんの読みに対して、でもいいですが。
このシナリオの黒木ママ評価は「そもそも、このシナリオは何を描こうとしていたのか?」によって随分変わってくるかなぁとは思いますが。あ、因みにじぶん黒木ママリアリティについては「前原誠司という人間が政治家をやっている事を考えればリアルリアリティありすぎ」とは答えておきますw


vostok/daktil
容認派というか、未知ちゃんがいい子なのでそっちに目がいっちゃって、ママ単独を切り出して批判みたいなのはあまりしても意味がないかなという感じです。あんなママがいたとしても、あれだけ明るい声で話せる子がいたら、それだけで奇跡みたいなものです。


でもママを単なるシナリオ上の機能としてみるには、未知はずいぶんママについて真剣に考えていると思えました(ママを受け入れるために引越しを決めたところとか)。もちろん、機能であって、ママから離れてノラといちゃつけたときの開放感のために存在するのかもしれませんが。

いずれにせよ、「母親」という存在がかなり強くいろんな形ででてきている作品ですが、黒木ママは立ち絵がないことですし、あまり言語化せずにそっとしておいて上げたいところです笑


こーしんりょー
立ち絵はないが、いいケツはしている。

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nisetono
良いケツの判断基準がよくわからないw


vostok/daktil
お尻だけの存在の母親。排泄する母親ということか。


nisetono
まぁオナラは臭くなさそうですよね。残響さんはどう思う?

残響
最終的に尻、排泄にはつなげますが、今からどーしようもない話をします。
こーしんりょーさんは「リアリティがない」って仰いまして、それに対する反論というよりは……ええと……以下は単なるケーススタディの例示の提示なだけなんですが。
黒木ママタイプの母親、うちの家系(残響母も含む)、結構リアルに多くて。


nisetono
まぁママの3割方はアレですよね。


残響
うちの家系がこのカリカチュアライズドされた「3割類型」に当てはまりすぎなのかはさておき、こういうのに意識的・無意識的に取り囲まれてた人間からすると。さらには、以前の対談で「残響は黒木に感情移入をしそう」って仰いましたが、実際自分も黒木的反抗行為はすっげえしてました。まー結局、自分は病気という形で「対決!親子戦争ゲーム」から脱出はできましたが、黒木のようにしっかりと地に足をつけた形での「成長」での脱出ではなかったので、黒木はほんと偉い。偉いがゆえに、自虐でもって感情移入してしまったら黒木に失礼。

この手の母親って、意外と「排泄」は許すんですよ。生物学的排泄は許す。それを受け入れる学問的知識はあるから。でも、文化的コードのうえでの「排泄行為」は許さない。簡単に言うとお下品を許さない、ってことですが。そのコードからすると、このパンツルックは非常になんか文化コード的にあるある。上品でコードから逸脱しないようなファッションに見える。


……ダメだ、冷静になりきれない。いろんな感情がダダ漏れになってきている。すいません、進行お願いします。


nisetono
残響さんはどうやらまたアイリス症候群を発作しそうだ!


こーしんりょー
うーん、自分は反抗期もなかったし、ママ系作品もほとんどプレイしていないので、ママ経験値の足りなさが表れたか……


vostok/daktil
むしろ便秘としての母親でしょうかね。


nisetono
便秘ママw


残響
便秘……めっちゃ言い当ててますよその比喩……。
ちなみに、ノラとと2ではノブチナのパパ(出所=おつとめご苦労様でしたッ!なリアルヤクザ)が出るそうですが、自分の父親は結構ヤクザタイプのアウトロー気質だったので(最悪のカップリングやないか)、正直ノラとと2のノブチルートは怖いなぁと。

ノラととの一部の雰囲気が嫌いなのは、自分のそういう家庭環境にもあったりします。でもここでアイリス症候群をやってしまっては、黒木の頑張りを否定することになるのでしませんw


nisetono
まぁウチの母親はその比喩でいえば、オナラママでしたかねぇ。小学生の頃からこの年に至るまでずっと喧嘩しているようなもので、黒木ママみたいなタイプではないんですが。

ただ「黒木ママっぽい」人には結構リアルで、いろいろと遭遇しているんですよね。別にトラウマってわけじゃないんですけど、小3か小4のころ、塾に通っていたとある女の子とクラシック趣味とマザー2関係で仲良くなりまして。
その子のうちに遊びに行った、確か3~4回目くらいの時に、その子のママと一緒に昼食ってことになったんですが、まぁその時にその手の「文化的コード」に引っかかって、今だったら
「他所の子供にそんなことを言いますか?って言う事を色々と言われたことはあります。


別に物凄いショックというわけでもなくて、この手の「教育ママ」っていうのは、まぁ漫画でもテンプレとして良くあるじゃないですか。だから「へー、マジでテンプレ的な存在はいるんだなぁ」とは思いましたね。あとは「やっぱりカラヤンスキーには碌な奴がいないw」という僕の偏見を深めるのに役立った。僕がクラシックスキーだと聞いて、好きな指揮者はムラヴィンスキーと言ったら、露骨に嫌な顔しやがりましたもん。


残響
黒木って、真面目委員長っぽいけど、「くたびれて」はいないじゃないですか。いや、美少女キャラがくたびれててどうすんだって話ではありますが、独特の元気さ、明るさがある。そこ、ぼくは非常に買ってるというか、すごく素直に「えらいなぁ」って思ってます。それが、ぼくが黒木にアイリス症候群をしない最大の理由であります。


何回も申してますが。そこはやっぱり、黒木未知という女の子の、まっすぐな魅力なんだろうな、と改めて今思いました。黒木が愉快なノラさん一家の中にいても、トークが硬直しないばかりか、より面白くなりますから。


nisetono


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しかし皆さんそうなると、基本的には「未知ちゃんが頑張って母親を乗り越える話、または母親を理解するシナリオ」だと了解しているんですね。こりゃ困った。自分一人が井田状態だw


vostok/daktil
乗り越えるというか、母親はきっかけであって、そんなに重要じゃないような気はしますね。黒木未知を見ているのが楽しいシナリオという感じです。


nisetono
個人的にはこのシナリオ、僕はある種の自己批判だと思っているんですよね。

まぁ、いきなり自己批判と言われても、何のことだかわからないと思うので、そこはおいおい語っていくとしても。
このシナリオ、というかこの作品自体に対して、今回は欠席なさっているメルトンさんは「このシナリオやこの作品が何が何だかわからない」否定的に言うと「ちょっと気持ち悪い」みたいな事を言っていたと記憶していて。


それはある意味で正しいと思うんですよ。このシナリオが、普通のエロゲのシナリオのように「何かその物語の中で、肯定できる何かをある一貫性をもって語っている」と考えると、特にこの黒木未知ルートは基本的に意味が通らないところが多すぎる。


こーしんさんの読みでいえば「解ってくれない母親を乗り越える」だと思いますが、そのように読んだとしても、どうもこのシナリオはスッキリしないと思うんですが、どう思いますか>こーしんさん。


こーしんりょー
乗り越えられてるか? というと、これって結果的には母親の自滅&反省なんですよね。だから全体を通して「母親を乗り越える」で一筋通す気はなさそう。


nisetono
もっとキツイことを言うと、これ結果的には「母親の自滅&反省」なので、主人公たちや未知ちゃんたちの「頑張りや覚悟」って「母親に対する意味はなかった」とは言いませんが「自滅」が無かったら、この母親は「反省していないだろうなぁ」という意味では無駄だったってことになりますよね。「自滅」の後においては、主人公の心証を良くすることには繋がってますけど。

じゃあ、これはシナリオ的な「ミステイク」なのかというと、僕はそれもちょっと違うと思うんですよ。

vostokさんが、さっきチラっといったように、母親はあくまで「きっかけ」に過ぎないんですよね。この主人公たちの「頑張り」においては。そこをあくまでもこのシナリオは強調していると思う。

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まぁ、この後のシナリオにおいては、未知ちゃんは色々と言われて、ママを理解しようとしますけど、それ以前においてはこのように、未知は基本的にママを基本「冷静に嫌っている」し、単純にその為の手段として「知識」を得ようとしているわけで、別にママに何らかの思いれがあって動いているわけでもない。最後の方でもこの二人、基本的には特に和解したみたいなシーンはないし、

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僕はこのシーンで、象徴的な意味合いで、未知とママは「切れている」んだと思ってます。

その前のノラの野獣シーンで、パトが「母親に貰った身体を捨ててネコになってもいいの?」みたいな事を言うんじゃないですか。その意味でいえば、こっから先、未知ちゃんは基本的に人間やめているわけじゃないですか。
そこで母親との絆もブチ切れているって言う事を意味しているのかなぁと思いました。


vostok/daktil
確かに自分は野良猫だといったり、願望があったせいで猫になってしまったりしましたね。

nisetono

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残響さん的にはどうですか。残響さんは未知ちゃんは頑張っていると言っていて、まぁそれは一般論的にはその通りだと思いますが、それではこのシナリオにおいて、未知ちゃんや主人公たちの「頑張り」は、どういう意味を持っているとお見ますか?


残響

これまでのお話を聞いて。もちろん黒木ママの気持ち悪さはありますが、そこを話すのでなく「頑張り」の意味を見るなら。
補助線を引いた安定性の生き方から、不安定な生き方の中で一喜一憂する(vostokさんの言葉を借りてます)ことへ自らを投げ打った勇気、と考えてます。今は。

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ジャズメン的考えかもしれませんが、勉強っていわば「練習」じゃないですか。言い換えれば補助線。黒木のこれまでの生き方が補助線を引いて確実で安全なところで進んでいく生き方だったとしたら、その安定性の前提であり保証たるルール……この場合は黒木ママですが、それがおかしかったらどうするのか。最近の政局でも同じですが、まあw この黒木ルートにおいて、ケーキを作るシーンとかもあるように、ノラさんがおじぎ練習をするのもあるように、「練習・勉強」パートって多いんですよね


その練習は無意味ではなくて。でも結局は無駄になってしまうかもしれない。それでも、そんな不安定の中で一喜一憂して、一回性の中で生きていく。全力で。そういう人生に自分を投げ出すのが「頑張り」なのだよなぁ、と。とても当たり前のことを言ってますが。それの積み重ね(言い換えれば、ブチ切れの連続)が、頑張ってる生の証なのかな、と。まあ一言で言えばアドリブ万歳! その勢いの中でしか見えないものもあるんだ! みたいな。

nisetono

 

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まぁ残響さんと、いやしくもライターを名乗っている人間の文章を比べてどうこう嫌味を言う僕が一番アレだっていう話はその通りだとしても、やはり「作家」と「一般人」はこういうところで、雲梯の差があるなぁとは思いました。

結局、僕らみたいな一般人は、それこそ上の残響さんみたいに「運命を引き受けること」みたいに俗流ニーチェ主義的に「運命を合理化」しちゃうんですよね。僕がこのシナリオを高く評価しているのは、運命について語りながら、残響さんみたいに「運命を合理化」しないところにあるんですけど。


残響
……うん? 「運命の合理化」のところ、ちょっと説明お願いします。自分は「今回は」運命を唯々諾々と受け入れるんだー式のことは言ってないつもりでしたが。少なくともそこにフォーカスを当てたつもりはない。


ノラトト対談-ノラと黒木とままははロード4「二度目はもっと早い」に続く。